看護師のためのセクハラ対策

セクハラの被害にあった女性

看護職につきものの人間相手の仕事の難しさ

職場における人間関係は多くの人が悩んでいることと思います。
看護の現場では職場内の同じスタッフだけでなく、病院を訪れたり入院をしている患者さんとかなり近い距離で接しないといけないことから、さらに複雑な人間関係の中に置かれます。

そのため人間関係に悩んで看護の仕事そのものを辞めようと考える人もかなり多く、どのようにして看護の職場をよいものにしていくかということは重要な問題です。

看護師にとって非常に深刻なのがセクハラの悩みです。
特にまだ社会人としての経験が浅い若い看護師さんはセクハラのターゲットにされやすく、先輩に相談しづらく一人で抱えてしまうこともよくあります。

まず若い看護師さんによく知っておいてもらいたいのが、セクハラ被害は決して恥ずかしいものではないし、自分に責任を感じることは全くないということです。

もし仕事をしていく上で精神的な苦痛を感じているなら、遠慮をせずに上司や同僚に相談し職場で情報を共有していきましょう。

特に夜勤時に起こるセクハラは冗談で済ませられるレベルではありません。
実際、夜勤の見回り中に部屋に引きずり込まれそうになったり、夜中にナースコールで呼び出されて体に触れるように強制させられた例もあります。

これらは看護の現場ではありふれたことではありますが、だからといって許されてよいことではありません。
泣き寝入りをせずに訴えていくことこそが看護の現場全体を改善していくことにつながるのだと思い、毅然とした対応をしていきましょう。

受け入れることが優しさではありません

セクハラに悩む看護師さんによくあるのが、「患者さんもストレスが溜まっているだろうから」や「このくらいで騒ぐと面倒な女と思われそう」と一人で我慢をしてしまうということです。

しかし嫌だと思っていても笑顏で対応したり、一見受け入れているかのような態度を見せていると、セクハラをしている人はますます行動をエスカレートさせていきます。

最初の段階で拒絶をしていれば防げるセクハラ行為もありますので、まず相手の行為を肯定するような行動は控えるようにしましょう。

軽い下ネタのような冗談でも、職場での会話として不適切だと思ったら「そういう話は遠慮してもらえますか」とはっきり口に出すようにしていいと思います。

新人で自分から言いづらいというときには上司や先輩に相談して一緒にお願いしてもらうという方法もあります。

また夜間など危険なセクハラが起こりそうな状況においては、死角で仕事をしないということも重要な防御対策となります。

患者さんと一対一にならないように扉を開けておいたり、呼び出しには複数の人数で応じるようにするなど、そもそものセクハラ行為ができにくい状態にしていくということが大切です。