看護師に多い腰痛対策

予防はできる!長時間同じ姿勢にならない

看護師の職業病ともいえるのが、腰痛です。
看護師の70~80%が腰痛に悩まされているとも言われています。
患者さんのトイレや入浴介助、体位変換、移乗介助など腰に負担がかかる業務が多いうえに、中腰での作業が多いのでたくさんの看護師が腰痛を抱えながら働いています。

ひどくなるとスムーズに動けずに作業に支障が出ますし、キャリアを変更せざるを得ないこともありえます。
職業病だからとあきらめずに、毎日できる腰痛対策を実践してみましょう。

長時間同じ姿勢を続けていると、腰や背中の筋肉が緊張して血行不良を起こし、硬くなってしまいます。
立ちっぱなし、座りっぱなしなど同じ姿勢を続ける時は、立ったまま、あるいは座ったままでできる腰痛予防を行ってみてください。

立ったままの状態で目線を下に向けおへそのあたりを見ながら腰を丸めます。
このとき骨盤を意識しましょう。
次に、腰をゆっくり薄炉に反らせます。
手は腰にあててください。

この動作を交互に繰り返してみましょう。
時間がなければ1回するだけでも違います。
腰の動きはあまり大きくなくてかまいません。
骨盤の位置を前後に動かすことで、血行が良くなり、緊張していた筋肉がほぐれます。
長時間座って作業している時は、座ったままでも行えます。30分~1時間に1回くらい動かすと良いでしょう。

かがむ作業が多いですが、かがむときにも腰痛予防ができます。
足は肩幅に開き前を見て、骨盤を意識しながら上半身を倒しましょう。
この時、腰をそらせお尻を突き出すイメージで。背中は丸めずにまっぐに伸ばしたまま行いましょう。
お尻を突き出すポーズは恥ずかしいので、後ろに患者さんがいた、なんてことがないように人が見ていない時にしましょう。

ここで紹介したのはすべて簡単な動作なので、忙しい作業の合間に試してみてください。
毎日実践することが大切です。
腰痛予防に腹筋運動をする人が多いですが、腹筋運動では腰の腹横筋や内腹斜筋は鍛えられないので、腰痛には効果がありませんし、かえって腰に負担を与える可能性があるので痛みがある時は控えましょう。

腰に痛みを感じたら?

どんなに予防しても完全に腰痛を防ぐことはできません。
腰が痛くなってきたらコルセットを装着しましょう。
コルセットによって体幹を固定することで、痛い場所の負担を減らせます。
また、腹横筋というインナーマッスルをサポートするので腰が安定します。

ですが、コルセットに依存してしまうのは考えものです。
勤務中ずっとコルセットを装着していると、筋肉を低下させ、ますます腰痛がひどくなるので痛みひどくてつらい時や痛みの伴う作業の時だけ着けることをおすすめします。
痛みが軽減したらこまめに外しましょう。