命に関わるしびれ

老人の手

放置すると怖い体のしびれ

今ではあまりそうした機会はなくなりましたが、法事などのお座敷で集まる行事があったときには長時間正座をしなくてはならないときには足がしびれて立てなくなってしまった経験があります。

正座のし過ぎで怒る足のしびれと同様、眠っている時の姿勢が悪く腕や足の一部に強い圧迫が続くと目が覚めたときにすぐにその部分を動かせなくなってしまうものです。

これは体の中に流れる血管の一部が圧迫によってその先に血液が十分に回らない状態になってしまうことで起こる症状で、正座を解いたり目が覚めて体を正しい姿勢にしたりすることで再び血液が十分にめぐるようになり、症状が出る前と同じように自由に体を動かすことができるようになります。

しかし体に感じるしびれの種類の中には、同じように血液循環の悪さのために起こるものであってもそれをすぐに直すことができず、慢性的に起こる症状になってしまうケースもあります。

いわゆる「虚血」と言われる状態で、何らかの原因により体内の一部に血が回らなくなってしまうことでその体の部分が正常に機能しなくなってしまうのです。

重篤な症状としては「虚血性心疾患」として分類される心筋梗塞や狭心症というものがあります。

正座などの姿勢が原因の虚血ならば圧迫している部分を緩めればすぐに血流が回復しますが、体内の血管などに何らかの不調が起こってしまっている場合には本人の意志で血流を回復させることができません。

血液の一部が滞るとしびれの症状を自覚することもありますので、もしいつもと違うと感じたら早めに循環器系の診療を受けることをおすすめします。

体内に異変があるときに起こるしびれの特徴

体のどこかにしびれを感じる場合には、それどの部分でどんなふうに起こっているかということを冷静に判断する必要があります。

しびれが起こるタイミングはいろいろですが、正座をしたあとや無理な体勢を長くしていたとき、または強く手足をぶつけてしまったときといったはっきりした原因が思い当たらないのになぜか体の一部がしびれているという時には注意が必要えです。

しびれの症状は手足や指をうまく動かすことができないということの他に、痛みや熱さ・冷たさを感じることができなくなったり、自分の体ではないような鈍い感覚になってしまうということがあります。

特に危険なケースとしては、「手足の片方だけがしびれている」「手足が膜に包まれているような自分のものでないような感覚がする」「手と口といった体の片側の複数の箇所でしびれが起こっている」「突然強いしびれが起こるがすぐに治る」といった4つがあります。

しびれ症状の中でも特に危険なのは脳梗塞を疑われる場合です。

人の脳は体の細かい部分を動かすための機能が備わっているため、脳内の一部の血管が詰まるとその体の部分の自由が効かなくなってしまいます。

脳梗塞の症状としてよくあるのが顔面部分のしびれなので、突然舌や顔の片側に違和感があってうまく言葉を話せなくなったようなときにはすぐにでも病院を受診するようにしましょう。

頭痛や吐き気を伴う場合も危険

体に起こるしびれでそれが体内に潜む病気が原因である場合、それは少しずつ進行していくというところに特徴があります。

血液が流れる血管部分に血栓ができるときには、血管の内壁が少しずつ狭くなっていき、そこに塊となった血栓が引っかかることで重大な症状が発生します。

つまり重大な症状が出る前には必ず軽いしびれなどの前兆となる症状があるということです。

朝起きたときに頭痛がしたり手足や顔の一部が麻痺したような感覚があり、それが継続的に続いているときには脳内の詰まり症状が進み脳腫瘍などが起こりやすくなってしまっていることが考えられます。

頭痛とともに吐き気がある場合にも、脳出血や脳腫瘍により脳の一部に強い圧力がかかりそれが気分の悪さを作り出しているということが疑われます。