勤めている病院について

福祉車両

新人看護師として

私が勤めているのは、家から車で10分ほどの所にある市営の総合病院です。
病床数420床の、地域の医療の中心となる大きな病院で、5年前に新設された新しい建物のため
人気があり、名医と呼ばれる人気ドクターのもとには遠方からの患者さんも珍しくありません。

診療所から紹介状を持ってくる患者さんも多いですし、救急指定病院に指定されているため
さまざまな症例の患者さんが来院します。

それなりに評判の良い病院であるため、外来の待ち時間が長かったり、
満床のため入院の受け入れにかぎりがあったりと言うのが一つの課題にもなっているのです。
その中で、私は小児科病棟に勤務しています。

常に入院患者さんがいる病棟勤務は、3交代制で夜勤も休日出勤も避ける事はできません。
就職先の検討をしている時には、家族の事も考えて日勤で土日休みの仕事を探そうかと
考えた事もありました。

看護師の求人の中には、人間ドッグや検診センター、透析業務などのように、
主婦としては働きやすい勤務体の仕事もあります。

ですが、まだ駆け出しの新人看護師であるうちから病棟での経験を
積んでおきたいという考えが強くあったため、今の病院への就職を決めたのです。

家族で話し合って、母親が不在の時間が増える事を子供たちに了解してもらったのですが、
子供に与える負担を考えると申し訳ない気持ちがあったのも事実です。

小児病棟の子どもたち

私が勤める小児科病棟は病床数35床あり、長期入院の子供たちのために院内学級も設けられています。
中には物心ついたときからずっとこの病院で生活している子もいます。

まだ幼い子供たちが病気と闘う姿は胸が締め付けられるような思いになりますし、
付き添いをするご両親にはつい感情移入をしてしまうものです。

看護師として働く上で、患者さんの気持ちに寄り添った看護を行う大切さは、
学生時代にも何度も教えられてきました。

ですが、過度な感情移入や同情は時として業務に支障をきたす事があるとも言われます。
自分に幼い子供がいるという立場上、これは私にとっては一つの課題の様な気がしているのです。

看護師の先輩たちを見ていると、決してビジネスライクの機械的な気持ちと言う事ではなく、
患者さんとの適切な距離感を保てている人が多い様な気がします。

お互いが人間である以上、相手との境界線をきちんと持つ事が私たちの仕事には重要なのでしょう。
この病院は長期入院の患者さんも多い病院だけに、心がけていかなくてはならない事だと思います。