あなたにもできる!救命処置

AIDKIT

救命措置の基本をマスターしましょう

救急医療や災害救助などの現場で働いている人でもない限り、普段の生活をしていて突然に誰かの生命を救わなくてはいけないという事態が起こるということはまれです。

ですが回数が少ないからといって全くその可能性がないというわけではなく、場合によっては自分の大切な人が目の前で倒れそれを自分の力で救えるかどうかが決まってしまうということも十分にありえます。

特に自動車やバイクを運転する人にとっては、自分のせいであってもなくても突然目の前で大きな事故が起こり、救急医療をしてくれる救急車などが到着するまで自分でなんとか対処をしなくてはいけないという機会に遭遇する可能性はかなり高くなります。

自動車の教習所や免許の更新時にはそうした事態に対応するため救急医療の方法を講習することもありますが、その時にはなんとなくマスターしたつもりになっていても、いざ本当に誰かをたすけないといけない場面になったときに体を動かすことができるかというとおそらくほとんどの人が自信がないと答えることでしょう。

生命が危険な状態になっている人に対して行う処置ののことを「救命処置」といいますが、その基本は決して難しいものではなくちょっとしたことだけでもかなりの効果を得ることができます。

まずは簡単なところから調べ、いざというときに使える知識として自分の中に備えておくようにしましょう。

救命処置の基本は安全確保

私達は普段の生活の中で突然に体調を崩してしまったり、大きな怪我をしてしまった場合には119番に通報して救急車に来てもらいます。

この通報から救急車が到着するまでの時間は全国平均で7分42秒とされていますが、実際にはその時の天候状況や渋滞、駆けつける場所によっては10分以上がかかってしまうこともよくあります。

つまり救急処置が全くできない場合は異変を感じてすぐに通報しても、約10分程度の間何もせずに苦しむ人を見ているだけということになるのです。

たった10分かもしれませんが、この10分間に全く何もしなかった場合と比較して3~6分以内に何らかの救命処置をした場合の生存率はぐんと高くなります。

これは人の体が心停止をしてから約3分で脳が停止するという働きを持つためで、事故や怪我で心臓が止まってしまった人に対して蘇生を3分以内にできるかがその人が生き残るギリギリのラインになってくるのです。

心停止をした人に対し、3分以内に救命処置をした場合の生存率は約45%ですが、何もしなかった場合は約20%と半数にまで落ち込みます。

心停止以外にも出血がひどい場合や異物が喉に詰まってしまった場合なども、簡単な処置をすることができるかどうかで生存率が異なってきます。

救命処置の技術がないという人であっても、患者の気道を確保したり出血場所を抑えて少しでも流れ出るのを防ぐといったことだけでも十分効果がありますのでおそれずやってみてください。

救命処置は一般人がやっても問題ない

救命処置の中でも一次救命処置と言われるものは医療行為には該当せず、医師や看護師のような医療系資格がない一般人が行っても法的な責任に問われるということはありません。

一次救命処置とされる行為としては、「気道確保」「人工呼吸」「胸骨圧迫(心臓マッサージ)」「AED」があります。

気道確保や人工呼吸はおそらくほとんどの人が一度は人形を使ってやったことがあるものと思います。

本来これは複数の人でチームで行うというのが望ましいのですが、一人でも手順を守って行えばかなり適切に実行できます。

またAEDについても最近では人の多く集まる場所に設置されているのをよく見かけるようになり、実際に扱ってみる講習も増えています。

できることなら定期的に開催されている救急処置の講習を受け、忘れないよう多くの人に積極的に学習をしていってもらいたいです。